友情 (新潮文庫)のレビュー
青春小説
明治時代の小説です。青年の悩みを描いています。恋の三角関係です。一人の女性を巡って、2人の友人同士の青年が悩みます。友情のため、身を引いてみたり、現代感覚からすると、じれったいのですが、物語としては、中々魅力的です。小説は、前半と後半に別れていて、友への友情から、女性に気持ちに気付かない振りをして、フランスに留学する前と後に別れています。会話で話が進行したり、このような場面転換が鮮やかだったり、多分に演劇的要素が強く、短編ですが、ダイナミックな話の進行になっていると思います。古い点もありますが、現代でも色褪せ無い魅力も持ち合わせた小説だと思います。また、当時の恋愛事情も垣間見られて、中々面白いと思います。
感想
この物語は、主人公野島にとってとても残酷な結末である。私は恋をするときは、十分に注意が必要だと考える。特に、女性の容姿には恐ろしいものがある。野島の恋は、写真に写った杉子を見たところから始まっている。なんとも簡単に惚れたものだと、私は野島を間抜けに思った。少しも会話をしたことが無い人物に、どうして恋が出来るのだろうか。親友の大宮は実に友情に厚い人物である。金と実力そして友情を兼ね備えた大宮がいることで、物語の中では主人公の存在が霞んでしまう程だ。しかし、野島と大宮は互いの実力を認め尊敬しあう関係を築いている。そんな二人の友情に水を差したのが杉子という女性であった。読み進めていくにつれ、自分が登場する人物と同じような立場になったとき、どのように思うか考えさせられる作品である。
さすが名作
誰もが聞いた事ある名作を実家にあったので読んでみました。
あっというまに引き込まれました。
友達の好きな子を好きになってしまう。
ある事です。
身近なテーマです。
素晴らしい作品でした。
武者小路実篤作品、どんどん読みたいです。
あっというまに引き込まれました。
友達の好きな子を好きになってしまう。
ある事です。
身近なテーマです。
素晴らしい作品でした。
武者小路実篤作品、どんどん読みたいです。
これも友情の1つの形か
友情と愛情をテーマにした恋愛文学である。ある者は友情を失う代わりに愛情を得て、ある者は友情と愛情を同時に失う。
喪失感を背負いながら一人で生きて行かなければならない運命に身を委ねていく…。
喪失感を背負いながら一人で生きて行かなければならない運命に身を委ねていく…。

思っていたよりずっと読みやすい文体に引き込まれ、どんどん読み進めていった。
読みやすい文体と、わかりやすい文章なのに、書かれていることは哲学的だったりして、著者の頭の良さを窺うことができた。
私は女性だが、主人公・野島の気持ちには共感できた。
恋に一喜一憂し、相手しか見えなくなってしまうようなところなど、今まで読んだどの小説より、良く描かれていた。
だが、後半の手紙のやり取りの部分を読んで、一気に気持ちが醒めてしまった。
前半のままの調子で物語が終わっていれば、「良書」として認識していたと思う。
だが、これははっきり言って、私には頂けなかった。
当時は「プライバシー」という観念がなかったから、主人公の友人である大宮は、自分と杉子の書簡のやりとりを、同人誌に載せるということをしたのだろうか。
だがこれは、野島と杉子に対して、失礼ではないか。下手をすれば、侮辱に値すると思う。
自分達がどれだけ悩んだか、相手にわかってもらうためには、この手立てが良かったのかもしれない。
だが、読んだ方は、どれだけ大きな衝撃を受けることか。
読み手の私としても、書簡の部分は、読んでいて、はっきり言って不快だった。小説を読んでいて、不快になったのは初めてかもしれない。
だったら、そんなことなど明かさず、ただ「杉子と結婚した」と野島に伝えた方が良かったと思う。
相手にいくら思われていても、本人にその気がないのは仕方ないし、友人の想い人を好いてしまうのも、また仕方のないことだ。
だが、杉子の、野島に対して「一時間と一緒にいられない」という心情の吐露は、書かなくてもいいことのように感じた。
最後の書簡など、丁寧な文体が尚更、嫌な感じを抱かずにはいられなかった。
女性の登場人物ならば、武子の方が、余程良い女性だと思う。
杉子が大宮の書簡に対して喜んでいるものなど、野島が読みたいはずがない。傷つくだけだ。
著者は読み手のことまで計算して、この書き方をしたのかどうかはわからない。
ずっと野島側の視点で書いていたから、それではもう一方の大宮と杉子といえばどうなのか、といったら、この書き方しかなかったのかなとも思う。
だが、正直、私はがっかりした。失望した。
しかし、私は小説を読んで、はっきりとした感想を持つことは少ないので、このようにはっきりした感想を持てたという点を考えると、やはり優れた小説なのかもしれない。